オークションはおすすめしない
化粧品をネット通販で購入する際は、ついつい手を伸ばしてしまうのが「ネットオークション」です。
楽天、ヤフオクなどは有名どころですね。
掘り出し物や、有名ブランドが思わぬ価格で手に入ったりすることから、実際利用している方も多くいるかと思います。
では、安く買うことができるのであれば、化粧品もオークションで購入するのもおすすめなのでしょうか。
身元の分からない出品者
オークションで商品を提供している人物は、「出品者」と呼ばれています。
オークションは個人や業者も参加することができますので、出品者の身元を洗うことはとても重要です。
特に個人の場合は、「商品が届かない」、「クレームをかけても返事が返ってこない」、「届いて封を開けたら、壊れていた」といったずさんな対応がよく見られます。
出品者に関しては各オークションサイトでは、顧客満足度や口コミなどで評価を確認することができるので、誠実な対応をしてくれるかをチェックしておきましょう。
サイトに登録すれば、誰もが気軽に出品できるのがネットオークションの魅力でもありますが、落札者はときにトラブルの対処に迫られることもあることは覚えておきましょう。
並行輸入業者が格安販売
オークションやアマゾンといったネット通販では、ときおり『海外輸入品』、『並行輸入』といった記載が見られます。
この並行輸入とはどういったものなのでしょうか。
まず、化粧品はメーカーが製造販売を行っていますが、それだけでは販促が足りないため、『正規販売代理店』に化粧品を下ろして販売を委託することがあります。
みなさんがデパートで購入しているお店も、この正規販売代理店の一つとみなしてください。
しかし、この正規販売代理店の欠点の一つが「定価販売が基本」ということです。
ですので、料金はかなり高く、また割引なども見込めません(その分サンプルを貰ったりすることはできますが)。
そこで、ライバルとなって登場するのが輸入販売業者です。
免税店や海外の販売店から安く購入して、日本へ持ち込み転売する業者です。
ブランド物は日本よりも海外の方が安いケースもありますので、それを利用して利益差額を儲ける個人や業者は多々あります。
このように正規ルートを経て商品を仕入れ、正規ルートで日本に輸出した商品を、『並行輸入品』と呼びます。
並行輸入品は違法?
現在のところ、並行輸入品はグレーゾーンとなっております。
先のように、正規ルートで仕入れ、輸出したことを証明することができていれば、並行輸入販売は合法と見なされています。
しかし、それができない場合は違法性が濃くなります。
例えば海外のネット通販でブランド商品を安く購入し、それを日本で転売する場合は、その商品が本物であれば合法です。
しかし、ネット通販業者が本物であることを証明する書類等を出すことができなければ、偽物、コピー商品の疑いがかかるため、違法に傾く可能性があります。
並行輸入品がおすすめできないわけ
結論から言うと、並行輸入品の購入はおすすめできません。
日本のデパートで購入するよりか、3割〜5割程度安く購入できることもあるのは大変魅力的ですが、まず、その商品が本物か偽物かが分かりませんね。
日本は税関が厳しく、コピー商品や偽物を持ち込むことは困難です。
しかし、実際多くの偽物も出回っているのも事実です。
また、化粧品に関して言えば、中身を取り替えてしまえばいくらでもごまかすことができます。
仮に偽物の化粧品を使い続けても、それが偽物と気づける人はいるでしょうか。
海外輸入品は処方や成分が異なることも
化粧品の中には、日本人のための処方と、海外処方が異なる場合があります。
例えば、Aという美容液は、日本では化粧水の前につけるブースターとして販売しておりますが、海外では化粧水のあとにつける美容液の機能として販売していることがあります。
成分が同じであればいいのですが、異なる場合は、間違った順番や方法で使ってしまう可能性もありますね。
ネットオークションに蔓延る輸入品
落札者がオークションで化粧品を購入する場合は、「オークションであれば格安で購入できるから」という心理が働きます。
当然海外輸入品、並行販売品と記載があれば、心理的に本物かどうか疑いますね。
それでも安さに賭ける人がオークションで商品を競り落とします。
しかし、化粧品は肌を守る大切なアイテムです。
本物かどうかもわからず、また説明書も成分一覧もすべて英語、あるいは現地語だと確かめようもありません。
また、長く売れ残っていれば、消費期限も迫っています。化粧品は基本未開封で2年持ちますが、もしかすると、期限が切れているかもしれません。
1%でも偽物や劣化品の可能性があるのであれば、オークションに手を出すべきではないと考えます。